和漢医薬学の基礎と臨床の橋渡しを推進する

和漢医薬学会

第34回 和漢医薬学会学術大会「市民公開講座」

2017年9月13日 Categories: 市民公開講座

市民公開講座チラシ開催日:2017年8月26日 (土)
場所:福岡国際会議場 B会場501国際会議室
オーガナイザー
貝沼 茂三郎 [九州大学大学院医学研究院地域医療教育ユニット 准教授]
講師渡邉 賀子 [医療法人祐基会帯山中央病院 理事長]

漢方をあなたの味方に!

講師 渡辺賀子渡辺賀子
[医療法人祐基会・帯山中央病院理事長]
要旨 私が長年担当する漢方外来には、赤ちゃんから90代まで、幅広い年齢の方々が色々なお悩みで受診されますが、その7~8割は女性です。胃もたれや慢性の便秘・下痢など胃腸のお悩み、ニキビやアトピー性皮膚炎・乾燥肌など皮膚のトラブル、月経不順・月経痛・月経前症候群といった月経に関する悩みや不妊症などの婦人科疾患、イライラ・落ち込み・不安感など精神的な悩み、また中には、「どこの病院に行っても、どこも悪くないと言われて精神科に行くよう勧められたのですが、自分では体のどこかが悪いとしか思えないのです。私は精神的におかしいのでしょうか?」と、不安気に来院される方もおられます。
漢方医学には、「不定愁訴」という概念はありません。血液・尿・レントゲン・MRIなど色々な検査を受けても異常がなく治療の対象とならない悩みや、現代医学的治療だけで改善しない症状など、何か不調があればそれを解決する方法を探すのが漢方の基本的な考え方です。ですから、肩こり・めまい・頭痛・むくみ・冷え・不眠・食欲不振・倦怠感など、何か辛い症状があれば、遠慮なく相談して頂きたいのです。
例えば、不調が「気のせい」なら「気」を整え、血流が悪いためなら「血」の巡りを良くし、余分な水分によるものなら「水」の排出を促すというように、漢方医学的診断に基づいて心身のバランスを整え、自然治癒力を鼓舞する漢方治療により、不調の解決方法が見つかることも多いのです。しかしながら、働く世代の男性は仕事に追われ、ちょっぴり怖がりで病院に行くことが少なく、また女性は、両親や兄弟、夫や子供、職場の同僚など、周囲の人たちの体調変化に気づくことが多く家族の健康の要ですが、ついつい自分のことは後回しになりがちです。高齢になると複数の疾患や不調を抱えることも多く、どの年代の方も健康でいたいと願う気持ちは同じです。一家の大黒柱として、皆の健康管理者として、老若男女すべての皆さんはまず、自分自身が元気でいることが一番ですから、定期的に健康診断を受けたり、食事や運動といった生活習慣を見直したりするのはもちろんのこと、リラックスする時間を作るよう心がけ、何か不調があれば、漢方を味方につけるのもおススメです。
漢方の歴史や「気・血・水」といった基本的な考え方、診断や治療の方法、養生法などを知っていただき、あなたのその不調を解決するアプローチに漢方という選択肢を加えることで、皆様の元気のお手伝いが出来れば幸いです。
補足資料 要旨1要旨2要旨3要旨4