Ⅰ 学会発足まで
本学会の前身は「和漢薬シンポジウム」です。1967年に故山村雄一先生(元大阪大学総長)らを発起人として、第一回シンポジウムが富山県の立山連峰の中腹にある弥陀ケ原の山荘で開かれました。
それから17年の間、開催地を全国に移してシンポジウムが続けられ、会員数の増加と学問的基盤が整備されたとの判断の下に「和漢薬シンポジウム」は発展解消し、1984年に「和漢医薬学会」として発足いたしました。
Ⅱ 本学会の目的
本学会の目的は、和漢薬の資源、品質管理、作用機序、臨床研究などについて科学的視点から最新の知見を討議し、基礎と臨床の橋渡しをすることにあります。
この目的に沿って、学会誌の発行と学術大会の開催を通し、次のことを実践したいと考えています。
- 和漢薬を様々な形で研究の対象とする薬学者、医学者医師薬剤師などが一堂に会して情報交換すること。
- 漢方医学を始めとする伝統医学の体系を様々な形で研究する仲間が集い、情報交換すること。
- 要素還元論に立脚する自然科学と「複雑系・多成分系」の体系である伝統医薬学の融和を求めること。
- そして、新たな治療学を形成し、その成果を国民に還元すること。
Ⅲ 本学会で扱う研究領域
本学会で扱う研究領域を以下に示します。
これらの領域での、皆様の最新の成果を、学術大会や学会誌(Traditional & Kampo Medicine)に発表していただくことを願っております。
- 和漢薬資源に関する問題
- 和漢薬の品質管理法の開発
- 和漢薬による疾病の予防・治療の有効性の基礎・臨床研究による科学的評価
- 和漢薬の作用機序の解析とその評価方法
- 漢方薬による病態生理の調節作用(瘀血、腎虚、気虚等)
- 証、未病の現代科学的解釈
- 和漢薬の臨床評価法の開発
- 漢方薬の薬物動態の解析
- 新薬との併用による有効性と安全性の解析
- 新規漢方薬の創製
- 和漢薬研究を基盤とした創薬
- その他、和漢薬と関連した機能性食品や代替医療についての作用等